早期に対応すること、できる限りこちらから連絡すること、そして、冷静に、かつ、相手方の感情に配慮した対応をすることによって、家族や職場に事情を知られるリスクを軽減することができます。
さらに、弁護士に対応を依頼することで、家族や職場に事情を知られるリスクを大幅に軽減することができるでしょう。
不倫・浮気による慰謝料を請求された場合、何の対応もせずに無視したりすると、相手方を怒らせてしまって、家族や職場に不倫・浮気の事実を知らせるという行動を起こされてしまう場合があります。
そのため、慰謝料を請求された場合には、すぐに相手方に連絡をして、きちんと対応をするという姿勢を示す必要があります。
また、示談交渉を進める中では、相手方と何度もやり取りをする必要がありますが、相手方からの連絡が多ければ、その分、家族や職場に事情を知られてしまうリスクも高まります。
そのため、できる限りこちらから連絡をすることで、自宅や職場に連絡が来て事情を知られてしまうという事態を防ぐことも必要です。
示談交渉を進める中では、相手方が、慰謝料を請求するだけでは気持ちが収まらず、「家族に知らせる」、「職場に知らせる」などと言ってくることは比較的多くあります。
中には、「知らされたくなかったら、請求したとおりの金額を払え」、「これから会社に行く」、「この件で会社に(懲戒)処分してもらう必要があるから、事実関係を知らせる」などと言ってくるケースもあります。
そのような相手方に対して、こちらも感情的な発言をしたり、一方的に責め立てたり、正論を述べて論破しようとしたりすると、さらに相手方の感情を刺激して、実際に行動を起こされてしまうことがあります。
したがって、冷静に、かつ、相手方の感情に配慮した対応も必要となってきます。
このように、家族や職場に事情を知られないように示談交渉を進めるためには、早期の対応、できる限りこちらから連絡すること、そして、冷静に、かつ、相手方の感情に配慮した対応をすることが必要となりますが、さらに、弁護士に対応を依頼することで、家族や職場に知られるリスクを大幅に軽減することができます。
まず、示談交渉の窓口を弁護士にすることができるため、自宅や職場に連絡が来ることはなく、事情を気付かれにくいということが言えます。
また、弁護士であれば、最初に相手方へ連絡した際に、弁護士が窓口になっているにもかかわらず本人や自宅、職場に連絡したりするような行動をすれば、相手方自身が法的責任を負う可能性があることを指摘しつつ、全ての連絡を必ず弁護士宛てにするように要求することができます。
この対応によって、ほとんどの場合で、家族や職場に事情を知られないように示談交渉を進めることができます。
最後に、示談・和解をした後に相手方によって事実関係を家族や職場に知らされてしまう心配がある場合には、示談書・和解書の中に、不倫・浮気の事実や、慰謝料の支払など合意書の内容を第三者へ口外することを禁止する「口外禁止条項」を入れておくという方法があります。
もっとも、相手方は、感情面から口外禁止条項を入れることを頑なに拒否したり、口外禁止条項を入れる代わりとして高額な慰謝料を要求したりしてくる(口止め料を暗に要求してくる)ことも往々にしてあります。
本人同士での交渉では、お互いの感情の対立もあって、口外禁止条項を入れることも難航することも少なくありませんので、この点でも、不倫・浮気による慰謝料請求の問題に精通した弁護士に示談交渉等を依頼することをお勧めします。