肉体関係(性行為・性関係)がなければ、慰謝料を支払う必要がないのが原則です。
慰謝料の発生原因となる不貞行為とは、配偶者以外の異性と肉体関係を持つことを意味します。
肉体関係がなければ、通常、慰謝料は発生しません。
そのため、「あなたの配偶者と肉体関係がなく、不貞行為はありません。そのため、慰謝料の支払義務が発生しないので、請求に応じることはできません」という返答をするようにしましょう。
肉体関係がないからといって無視・放置すると訴訟(裁判)を起こされる可能性がありますので、慰謝料の支払を拒否する旨の返答をきちんと行うことが大切です。
また、訴訟(裁判)を起こされた場合に無視・放置すると、相手方の言い分に従って判決が下され、支払命令が出されてしまいます。
訴訟(裁判)の手続において、相手方の請求・主張を争う対応を取る必要があります。
以上のように、肉体関係がなければ、通常、慰謝料の支払義務を負うことはありません。
しかし、肉体関係がなくても、世間一般で許される範囲を超えて、既婚者と男女の親密な交際をした場合には、慰謝料の支払義務を負う可能性があります。
例えば、次のような場合です。
□頻繁に2人きりでデートする。
□頻繁に長電話をする。
□高級なプレゼントを贈り合う。
□「好き」などの内容のメール・LINEを頻繁にやり取りする。
□キスなどの行為をする。
□「今の配偶者と別れて結婚したい」などの内容のメール・LINEのやり取りをする。
上記のような肉体関係がないケースでは、認定され得る慰謝料の額は30万円~50万円前後です。
肉体関係がある場合の慰謝料は、別居や離婚に至るケースで100万円~200万円が相場となりますので、それと比較するとかなり低額と言えるでしょう。
このように、肉体関係がなくても慰謝料が発生し得るケースがあり、そのようなケースでは数十万円程度の低額の支払で解決することを目指して、話し合いなどを進める対応となるでしょう。