探偵による調査が不倫・浮気の事実を証明するために必要不可欠であった場合には、探偵の調査費用の請求が認められると考えられます。
しかし、他の証拠によって不倫・浮気の事実を証明できた場合や、探偵による調査を行わずとも相手方が不倫・浮気の事実を認めていた場合には、探偵の調査費用の請求は認められないでしょう。
このような場合には、探偵による調査が必要不可欠であったとは言えないからです。
そして、探偵の調査費用の請求が認められるとしても、必ずしも全額の請求が認められるわけではありません。
訴訟(裁判)の場合には、裁判所の実務的な運用上、探偵の調査費用としては、10万円~30万円程度に限り認めるとする判断(判決)が大半です。
探偵の調査費用が30万円程度までに収まったのであれば、全額の請求が認められる可能性がありますが、それを超える場合には、一部の請求だけしか認められないことが大半です。
示談交渉の場合にも、探偵の調査費用の全額を請求すること自体は自由です。
しかし、ケースにもよりますが、高額の調査費用の全額を支払うという解決になることは、ほとんどありません。
探偵の調査が必要であったことを加味して慰謝料の額を一定程度上乗せする、早期解決のために探偵費用の請求を行わないこととするなど、ケースにより柔軟に対応していくこととなるでしょう。
不倫・浮気の調査を探偵に依頼する場合、調査の内容や期間にもよりますが、かなりの金額がかかることもあります。
しかし、上記のとおり、探偵の調査費用が多くかかったとしても、そもそも相手方に請求できるかどうかという問題があり、また、請求できるとしても一部にとどまる例が大半である、ということを念頭に置いておく必要があります。