不倫・浮気による慰謝料を請求するためには、証拠の確保が重要となります。
そして、不倫・浮気の事実を裏付ける証拠としては、以下のようなものが考えられます。
メール・LINE
性的関係を推測できるような内容のメール・LINEのやり取りがあれば、不倫・浮気の事実を裏付ける証拠となります。
そのようなメール・LINEのやり取りを発見したら、その画面を可能な限りすべて写真に撮って保存しておきましょう。
内容にもよりますが、複数あればそれだけ有力な証拠となり得るでしょう。
ラブホテルの会員カード・領収証
ラブホテルは、性的関係を結ぶことが想定される場です。
ラブホテルの会員カード・領収証が発見され、自分と行っていないということになれば、他の異性と行った可能性が高いです。
「自分のものではない」、「知らない」などと言い訳されることもありますので、どこにあったかが分かる写真も撮影できると、なおよいでしょう(例えば、寝室のごみ箱に入っている様子、車のダッシュボードに入っている様子、など)。
また、カーナビの履歴に、不倫・浮気相手の自宅やラブホテルに行った履歴が残っていることもありますので、確認しましょう。
写真・動画
ラブホテルに出入りする場面の写真や動画は、決定的な証拠となります。
駐車場の車内に2人でいる場面や、自宅に出入りしている場面などの動画・写真も、有力な証拠となり得ます。
ただし、「相談に乗っていただけ」、「自宅まで送迎しただけ」などと言い訳されることもありますので、車内であればキス・抱き合っている様子を撮影するとか、自宅であれば入・出の両方を押さえて時間を記録するなど、工夫が必要です。
探偵の調査報告書
上記の写真・動画の撮影は、ご自身で対応するとなると、尾行や張り込みが必要であり、負担が大きく、発見・通報されるリスクなどもあります。
そこで、探偵事務所に調査を依頼することが考えられます。
ただし、探偵事務所に調査費用を支払う必要がありますので、十分な金額の慰謝料を獲得できる見込みがあるかなどを考慮し、実際に依頼するかどうかを慎重に検討するようにしましょう。
録音
配偶者や不倫・浮気相手を問い詰め、不倫・浮気の事実を白状したところを録音することができれば、確実な証拠となります。
問い詰める際には、ある程度証拠を固めてからでなければ、言い逃れをされてしまう可能性が高いですので、事前に上記のような各証拠を収集しておくことが前提となります。
なお、ご自身と配偶者との会話、ご自身と不倫・浮気相手との会話を録音する際には、録音を取ることを告知する必要はありません(このように、ご自身と相手方との会話を録音する「秘密録音」は、違法ではありません。これに対し、ご自身のいない場所に録音機を設置して録音する「盗聴」は、違法とされるおそれがあります)。
念書・誓約書
配偶者や不倫・浮気相手を問い詰め、不倫・浮気の事実を白状した際に、不倫・浮気の事実を認める念書・誓約書などの一筆を書かせることができれば、確実な証拠となります。
文面としては、「〇〇〇〇年〇〇月〇〇日、〇〇〇〇が既婚者であると知りながら肉体関係を持ったことを認め、謝罪します」などの記載が考えられます。
まとめ
不倫・浮気による慰謝料を請求するためには、言い逃れができないような確実な証拠を確保することが大切です。
しかし、例えば、メール・LINEや録音のような証拠があり、ご自身では十分な証拠が揃っているとお考えであったとしても、示談交渉や訴訟(裁判)を見据えたときに、本当に十分な証拠であると言えるかどうかは、慎重に検討しなければなりません。
弁護士が第三者の目線で客観的に証拠の内容を見たときに、不倫・浮気の事実を裏付ける証拠としては不十分であると考えられることも少なくありません。
そして、きちんとした証拠が揃っていなければ、希望どおりの結果を得られない可能性があります。
慰謝料を請求するにあたっては、手元にある証拠だけで十分と言えるか、他にどのような証拠を集めることが考えられるかなど、まずは法律の専門家である弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。