請求を受けた金額をそのまま支払う必要はありません。
相場よりも高額の請求であることも多いので、注意が必要です。
不倫・浮気をして慰謝料を請求された方は、ご自身がしてしまったことへの引け目があることから、「相手方の請求どおりの金額を払わなければならないのではないか」と考えてしまうことがあります。
特に、内容証明郵便で慰謝料の請求を受け、そこに弁護士名が書かれていた場合には、「請求された金額をそのまま支払わなければならないという法律上の義務があるのだ」と考えてしまう方も少なくありません。
しかし、相手方があなたに対して請求してきている慰謝料の金額は、いわば相手方の言い値であって、あくまで相手方の希望額にすぎません。
また、たとえ相手方が弁護士を付けて、その弁護士を通じて慰謝料を請求してきているとしても、その金額をそのまま支払わなければならないという法律上の義務が発生するわけではありません。
実際に、弁護士を立てて慰謝料を請求してきている場合であっても、裁判で認められるであろう金額(相場)よりも、相当高額な慰謝料を請求してきていることが少なくありません。
不倫・浮気による慰謝料を請求されたときは、まずは法律のプロである弁護士にご相談いただき、請求されている額が適正かどうかを見極めてもらうことが大切です。
相手方としても、多めの金額であると分かって慰謝料を請求してきているケースが多く、「金額の交渉は一切しない」というスタンスのことは少ないです。
多くの場合において、慰謝料の金額の相場や、慰謝料の金額の算定に当たって考慮されるべき要素などを適切に主張して、しっかりと交渉していけば、相当減額できるというケースが多いです。
もっとも、このような慰謝料の減額の交渉は、知識・経験や交渉力がないと難しいことですので、法律の専門家である弁護士に依頼するのが望ましいでしょう。
なお、相手方の慰謝料の請求額は上記のとおり言い値・希望額に過ぎないのですが、一旦その金額を支払う旨の示談書を取り交わしてしまった場合には、実際にその金額を支払わなければならないという法律上の義務が発生しますので、注意が必要です。
安易に相手方への支払の約束をしたり、示談書にサインしたりしてしまうと、後々取り返しのつかないことになりかねませんので、不倫・浮気による慰謝料請求を受けた場合には、まずはお早めに弁護士にご相談いただくことが大切です。