不倫・浮気による慰謝料の金額の算定に当たっては、様々な要素が考慮されますが、代表的なものは次のとおりです。
1 不倫・浮気によって、離婚や別居状態に至ったかどうか
離婚や別居状態に至った場合には、不倫・浮気による被害の程度が大きいと考えられるため、増額要素として考慮されます。
他方、離婚や別居状態に至っていない場合には、減額要素として考慮されます。
2 不倫・浮気の回数や期間
不倫・浮気(肉体関係)の回数が多い場合や、不倫・浮気の関係にあった期間が長い場合には、不倫・浮気による被害の程度が大きいと考えられるため、増額要素として考慮されます。
他方、回数が少ない場合や、期間が短い場合には、減額要素として考慮されます。
3 不倫・浮気の悪質性に関する事情
例えば、不倫・浮気が一度発覚し、二度と不倫・浮気をしないと約束したにもかかわらず、再び不倫・浮気に及んだ場合や、不倫・浮気によって妊娠した場合などには、不倫・浮気の悪質性が高いと考えられるため、増額要素として考慮されます。
4 結婚期間の長さ
結婚期間が長いほど、夫婦関係の保護の要請が強く、不倫・浮気による被害の程度が大きいと考えられるため、増額要素として考慮されます。
5 不倫・浮気当時の夫婦関係の円満度合い
夫婦関係の円満度合いが高いほど、不倫・浮気により夫婦関係を乱したことの悪質性が高いと考えられるため、増額要素として考慮されます。
他方、夫婦関係が元々悪化していたような場合には、減額要素として考慮されます。
6 夫婦間の子どもの有無や年齢
夫婦に子どもがいる場合、特に幼い子どもがいる場合には、家族関係の保護の要請が強く、不倫・浮気による影響や精神的苦痛が大きいと考えられるため、増額要素として考慮されます。
7 不倫・浮気を認めているかどうか
不倫・浮気の事実を否定している場合には、不倫・浮気をしたことへの反省・謝罪の態度がなく、精神的苦痛をより増大させると考えられるため、増額要素として考慮されます。
8 不倫・浮気による影響の内容
例えば、不倫・浮気によってうつ病になったなど、影響が大きいと言える場合には、増額要素として考慮されます。
9 不倫・浮気によって何らかの制裁を受けているか
例えば、不倫・浮気を理由として職場で懲戒処分を受けたなど、何らかの制裁を受けていると見られる場合には、その制裁によって被害感情が一定程度和らいでいると考えられることから、減額要素として考慮されます。
10 上記以外にも様々な要素が考慮されます
以上のような要素は、あくまでも代表的なものですので、考慮される要素はこれらに限られません。