訴訟(裁判)で判決が下される場合には、認容される慰謝料の額に対して10%程度に限り、弁護士費用の請求が認められるのが通常です。
例えば、判決で認容される慰謝料が200万円であるとすると、その10%の20万円に限り弁護士費用の請求が認められ、合計220万円の支払命令になるということです。
実際にかかる弁護士費用は、認容される慰謝料の額に対して10%を超えることがほとんどでしょう。
しかし、裁判所の実務的な運用上、請求が認められる弁護士費用の額は、慰謝料の額の10%程度が上限なのです。
これは裁判所の実務的な運用がそうなっているとしか説明のしようがなく、「なぜ10%なのか?」という理屈はありません。
以上のように、法律上、弁護士費用の一部を相手方に請求することはできるものの、裁判所の運用上、上限は慰謝料の額の10%程度である、ということです。

しかし、示談交渉で解決する場合や訴訟上の和解で解決する場合には、弁護士費用まで請求しないのが通常です。
その理由は、弁護士費用まで請求すれば紛争が激化し、早期に解決を図ることが難しくなるという実情があるためです。
弁護士費用は訴訟を提起し、判決まで行かなければ、取れないことが多いです。
訴訟を提起するとなると、弁護士費用や解決までの時間といったコストもあります。
弁護士費用まで請求するかどうかは、費用対効果を考えて検討いただくのがよいでしょう。

また、慰謝料の請求を受けた側からすれば、訴訟を提起されると、最終的には弁護士費用まで負担させられる可能性もあります。
示談交渉で終わらせるメリットも踏まえて、対応の方針を検討するのがよいでしょう。

Q&A一覧

No ご質問
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