不倫・浮気による慰謝料の請求には時効があります。
また、請求の相手方によって、それぞれ時効期間が始まる時点が異なるので注意が必要です。
まず、不倫・浮気相手に対して慰謝料を請求する場合ですが、原則として、不倫・浮気の事実および不倫・浮気相手が誰であるかを知った時点から3年間で時効が成立します。
逆に言うと、これらの事実を知らなければ時効が進行しませんので、場合によっては、不倫・浮気があった時点から3年間以上経過した後であっても、慰謝料を請求することができる場合があります。
ただし、不倫・浮気の事実および不倫・浮気相手が誰であるかを知っているかどうかにかかわらず、不倫・浮気があった時点から20年間経過した場合には、慰謝料を請求することができなくなります。
他方で、配偶者に対して慰謝料を請求する場合は、夫婦が離婚をするかどうかで異なります。
まず、夫婦が離婚をする場合には、離婚が成立した日から3年間で時効が成立します。
もっとも、不倫・浮気の事実を知らないまま離婚をした場合には、やはり時効が進行しませんので、離婚をしてから3年間以上経過した後であっても、慰謝料を請求することができる場合があります。
一方で、夫婦が離婚をしない場合には、時効が成立することはありません(民法159条)。
これは、婚姻関係にある夫婦の一方は、もう一方に対して慰謝料を請求するということが期待できないと考えられているためです。
したがって、不倫・浮気の事実を知ったものの、がまんして夫婦関係を続け、その10年後に離婚した場合、民法159条によって離婚の成立から6ヶ月間は時効の完成が猶予されていますので、その期間内は慰謝料を請求できることになります。