不倫・浮気相手の配偶者から、慰謝料の請求と合わせて、謝罪文の提出を要求されるケースも少なくありません。
このページでは、不倫・浮気相手の配偶者から謝罪文の提出を要求された場合の対応について、ご説明させていただきます。

謝罪文の提出義務の有無

不倫・浮気は法律上許されない行為です。
しかし、だからといって、法律上、不倫・浮気をしたことについて謝罪文を書く義務はありません。
不倫・浮気をした人が法律上負うのは、慰謝料の支払義務だけです。
仮に訴訟(裁判)を起こされたとしても、謝罪文の提出を命じる判決が下されることはありません。

謝罪文の提出を要求された場合の対応

上記のとおり、謝罪文を提出する法的な義務はありません。
謝罪文を書くことに納得できなければ、拒否するという対応が基本となるでしょう。
しかし、無下に「法的な義務がないので、謝罪文は書けません」と答えれば、相手方が感情的になり、話し合い(示談交渉)による解決が困難になったり、訴訟(裁判)を起こしてきたりするかもしれません。
スムーズな解決を図るために、謝罪文を書いた方がよいというケースもあります。
一方で、安易に謝罪文を書いて提出したとしても、不倫・浮気相手の配偶者が納得するとは限らず、「本当に反省しているのか?」などと謝罪文の内容について文句を付けられたり、感情的な対立が激化したりするおそれがあります。

そこで、謝罪文を提出する法的な義務はないので基本的には書かないものとしながら、不倫・浮気相手の配偶者が謝罪文を強く希望している場合には早期解決のために提出する、という対応を検討するとよいでしょう。
また、不倫・浮気相手の配偶者が「謝罪文を提出するのであれば、慰謝料は〇〇万円で構わない」などと約束している場合にも、慰謝料の減額の利益を受けるために提出してもよいでしょう。
ただし、慰謝料の金額や謝罪文の提出などの条件を盛り込んだ示談書を取り交わしたうえで、謝罪文を提出するという順序で対応するようにしましょう。

もし謝罪文を先出ししてしまうと、謝罪文を読んだ不倫・浮気相手の配偶者が「こんな内容であれば示談に応じない」などと言い出し、話を覆されるかもしれません。
不倫・浮気相手の配偶者が納得するまで、何度も書き直しを要求される事態にもなりかねません。
そのため、示談の条件をすべて取り決めた示談書に署名押印させたうえで、謝罪文を提出するという順序にすることにより、提出した謝罪文の内容について文句を言わせない(仮に文句を言われたとしても取り合う必要がない)という状況を作らなければならないのです。
そうすることにより、たとえ謝罪文の内容に文句が付いても、「すでに示談書の取り交わしが完了しています。約束どおりに反省文を提出したのだから、それ以上文句を言われる筋合いはありません」と堂々と突っぱねることができるようになります。

弁護士にご相談・ご依頼いただくメリット

不倫・浮気相手の配偶者から、慰謝料のほかに謝罪文を提出するように求められた場合には、まずは弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。
そして、弁護士に対応をご依頼いただくことには、次のようなメリットがあります。

【謝罪文を提出する法的義務がないことを分からせることができる】
法律上、不倫・浮気相手の配偶者に対して謝罪文を提出する義務はありません。
しかし、ご自身でその旨を説明したとしても、不倫・浮気相手の配偶者が納得せず、話し合いを進めるのが困難になるかもしれません。
これに対し、法律の専門家である弁護士が説得すれば、不倫・浮気相手の配偶者も受け入れやすいでしょう。

【謝罪文の内容について文句を言わせないようにすることができる】
スムーズな解決を図るために謝罪文を書く場合でも、不倫・浮気相手の配偶者から謝罪文の内容について文句を付けられるケースは少なくありません。
弁護士が付いていれば、謝罪文の内容についてアドバイスを受けることができますし、もし不倫・浮気相手の配偶者から文句を付けられても、「謝罪文の作成には元々法的な義務がなく、内容について文句を言われる根拠もないから、これ以上言われても取り合うつもりはない」と返答し、苦情を退ける対応をとることができます。

【迅速・適正な解決が期待できる】
不倫・浮気相手から謝罪文の提出を求められたのに対し、無下に断るとトラブルが深刻化するおそれがありますが、書いたら書いたで内容について文句を付けられ、スムーズな解決を図ることが困難になる可能性があります。
弁護士が代理人となって謝罪文の問題を含めて交渉することにより、迅速・適正な解決を図ることが期待できます。

当事務所では、不倫・浮気による慰謝料に関するご相談・ご依頼を多数お受けしております。
解決実績も豊富にございますので、慰謝料の請求や謝罪文の要求を受けてお困りの方がいらっしゃいましたら、お気軽に当事務所にご相談ください。

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