不倫・浮気による慰謝料請求では、請求者本人から直接、電話やメール、手紙で連絡があるとか、場合によっては、請求者本人が自宅や職場に押しかけてくるなどのケースもあります。

請求者本人から請求を受けた場合の対応については、請求者が立てた弁護士から請求を受けた場合とは異なる特有の問題があります。
ここでは、請求者本人から請求を受けた場合の対応について、ご説明させていただきます。

請求金額を確認しましょう

不倫・浮気による慰謝料請求を受けるケースでは、相場よりも相当高額の慰謝料を請求してきていることが多いです。
その中でも、請求者本人が請求するときは、慰謝料の相場を知らずに、裁判では到底認められないような、かなり高額な金額を請求しているケースが見られます。
したがって、まずは請求金額を確認し、その金額が過大であるという反論を検討するべきでしょう。
ただし、ご自身で直接、請求者本人と減額交渉をすると、請求者を納得させるのに困難を伴うことが想定されますし、当事者間での交渉は感情的になりがちでトラブルのおそれがあります。

時効にかかっていないか確認しましょう

慰謝料請求は、請求者が不倫・浮気の事実と請求の相手方を知ったときから、3年で時効にかかります。
請求者本人が請求をしてきたときは、時効のことを知らずに請求しているケースもあります。
もし、肉体関係を持ったのが相当過去であるという場合には、時効の主張をすることによって、慰謝料の支払を免れることができる可能性がありますので、時効にかかっていないかどうかを確認・検討すべきでしょう。

請求者本人が自宅や職場へ押しかけてきた場合の対応

請求者本人が直接、自宅や職場へ押しかけてきた場合、かなり感情的になっていることがほとんどです。
そして、法外な慰謝料を要求してくるとか、場合によっては,不貞行為の事実がないにもかかわらず、不貞行為の事実を認めるように迫ってくることなどもあります。

このような場合、家族や職場の人などの周りの目を気にして、とりあえず事態を納めようと考え、法外な金額に応じるような発言をしてしまったり、不倫・浮気の事実がないにもかかわらず、不倫・浮気の事実を認める発言をしてしまったりする方がいます。
しかし、事実関係や慰謝料の支払を一度認めてしまうと、その場自体は収まるかもしれませんが、その後の交渉や裁判では、不利になってしまうことがありますので注意が必要です。

そのため、請求者本人が自宅や職場へ押しかけてきたときであっても、その場で判断をするのではなく、一度、法律の専門家である弁護士にご相談されることをお勧めします。
そして、弁護士に依頼すれば、今後の連絡・交渉は、弁護士を通さなければならないと請求者本人に求めることができます。
そうすることで、請求者本人が自宅や職場へ押しかけてくることはなくなりますので、家族や職場の人などに不倫・浮気の事実が発覚するリスクを大幅に減らすことができます。
また、請求金額や事実に対して、しっかりと反論することも可能になります。

請求者本人から、家族や職場の人に不倫・浮気の事実を公表すると脅かされた場合の対応

請求者本人の中には、自分の言い値の慰謝料を払わせるために、あるいは怒りの感情にまかせて、家族や職場の人に不倫・浮気の事実を公表すると脅してくる人もいます。

このような場合にも、やはり速やかに弁護士にご相談されることをお勧めします。
弁護士に依頼すれば、弁護士から請求者本人に対し、家族や職場の人などの無関係な第三者には連絡しないように警告をすることができます。
そうすることで、家族や職場の人などに不倫・浮気の事実を知られてしまうという事態を避けられる可能性が飛躍的に高まります。

また、請求を受けた側が弁護士に依頼した場合、多くの場合で,請求者本人も弁護士を立ててきます。
そして、お互いに弁護士がつけば,その後は弁護士同士での話し合いになり、請求者本人が勝手に動くことはできなくなります。
このように、双方に弁護士が付いた場合には、不倫・浮気の事実が外部に漏れる可能性は極めて低くなります。

弁護士にご相談ください

以上のように、請求者本人から請求を受けた場合には、ご自身で対応されることにはリスクと限界があります。
まずは一度、法律の専門家である弁護士にご相談されることをお勧めいたします。
当事務所の弁護士は、不倫・浮気による慰謝料の問題について、豊富な経験と実績がございますので、ぜひご相談いただければと存じます。

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