不倫・浮気相手の配偶者から慰謝料請求をされたとき、脅迫行為を受けるというケースが多く見られます。
このページでは、不倫・浮気相手の配偶者から脅迫された場合の対処法について、ご説明させていただきます。
1 不倫・浮気相手の配偶者からの脅迫のパターン
不倫・浮気相手の配偶者から脅迫行為を受けるパターンとしては、次のようなものがあります。
(1)怒鳴られる・殴られる
不倫・浮気相手の配偶者が感情を抑えられずに殴ったり怒鳴ったりしてくるケースが散見されます。
(2)「不倫・浮気の事実を周囲に広める」と言われる
不倫・浮気相手の配偶者が「不倫・浮気の事実を勤務先や親・家族などに知らせる」などと言ってくるケースも少なくありません。
(3)複数人で取り囲む・胸ぐらを掴むなどして「念書にサインしろ」「慰謝料を支払え」と要求される
不倫・浮気相手の配偶者から呼び出されて出かけたところ、その場に待ち構えていた複数人に取り囲まれ、念書にサインすることや慰謝料を支払うことを迫られるケースがあります。
また、胸ぐらを掴んで威迫し、念書にサインすることや慰謝料を支払うことを要求されるケースがあります。
(4)「念書にサインするまで帰さない」「慰謝料を支払うまで帰さない」と言われる
不倫・浮気相手の配偶者から呼び出され、指定された場所に行くと、「こちらの要求に応じなければ帰さない」などと言われ、部屋に閉じ込めるなどの行為をされるケースがあります。
2 脅迫行為が犯罪になる可能性
不倫・浮気の被害に遭ったからといって、脅迫行為が許されるわけではありません。
不倫・浮気相手の配偶者からの脅迫行為は、以下のような犯罪が成立する可能性があります。
(1)暴行罪
大声で怒鳴ったり暴力を振るったりすれば、暴行罪が成立する可能性があります。
(2)脅迫罪
「不倫の事実を周囲に知らせる」「五体満足では帰さない」「家に火を付けてやる」などと危害を加えることを告知すれば、脅迫罪が成立します。
(3)強要罪
危害を加えることを告知しながら、あるいは暴力を用いることにより、「念書にサインしろ」「土下座しろ」などと義務のないことを強要すれば、強要罪が成立する可能性があります。
(4)恐喝罪
脅迫あるいは暴力の手段により、慰謝料を無理矢理支払わせれば、恐喝罪が成立します。
(5)監禁罪
部屋に閉じ込めるなどすれば、監禁罪が成立する可能性があります。
3 脅迫された場合の対処法
不倫・浮気相手の配偶者から脅迫行為を受けた場合には、次のように対処するとよいでしょう。
(1)不当な要求を拒否する
「念書にサインしろ」「土下座しろ」「不倫・浮気の事実を(勤務先や親・家族、インターネットに)公表して謝れ」などの要求をされても、それに応じる法的義務はありません。
また、脅迫行為は、法外な金額の慰謝料請求とセットで行われることも多いです。
法外な金額の慰謝料を要求された場合に、一旦支払ってしまうと取り戻すことは困難なのが通常です。
不当な要求は拒否するようにしましょう。
(2)脅迫行為の証拠を確保する
後述するように、脅迫行為を受けた場合には、逆にこちらから慰謝料請求をしたり、警察に相談したりすることが考えられます。
しかし、仮に脅迫行為を受けたとしても、客観的な証拠がなければ、後々、「言った、言わない」の争いになり、立件が困難になる可能性があります。
そこで、以下のような脅迫行為の証拠を確保しておくとよいでしょう。
□脅迫的な言動をしている様子の録音。
□脅迫的なLINEやメールが送られてきたときのスクリーンショット。
□職場や実家に送られてきた不倫・浮気の事実を公表する手紙。
(3)弁護士に依頼する
弁護士に不倫・浮気相手の配偶者との示談交渉を依頼すれば、ご自身が直接交渉することがなくなるため、脅迫行為の被害を受ける可能性は大きく下がります。
また、弁護士に示談交渉の対応を一任することにより、ご自身で直接交渉する精神的負担から解放されますし、法的に適正な条件で示談解決を図ることが期待できます。
弁護士が間に入れば、不倫・浮気相手の配偶者からの不当な要求を拒否し、退けることも可能です。
脅迫行為を受けてお困りのときは、まずは弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。
(4)こちらから慰謝料を請求する
脅迫行為を受けた明確な証拠があるのであれば、こちらから慰謝料を請求することができる場合もあります。
例えば、殴られて怪我を負わされた場合、勤務先に押しかけてきて不倫・浮気の事実を言い回られた場合、インターネットなどに実名とともに不倫・浮気の事実を書き込まれた場合などです。
脅迫行為が繰り返される場合や、脅迫行為によって大きな実害が生じた場合には、こちらから慰謝料を請求することを検討しましょう。
(5)警察に相談する
あまりにひどい脅迫行為を受けた場合には、警察に相談するべきでしょう。
しかし、そこまでの危険が発生していないと判断されれば、警察に相談してもすぐには動いてくれません。
そのような場合には、弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。
弁護士から不倫・浮気相手の配偶者に対して警告を発し、脅迫行為をやめさせることができます。
また、弁護士が慰謝料に関する示談交渉を進め、トラブルを解決することができます。
4 弁護士にご相談ください
不倫・浮気相手の配偶者から脅迫を受けてお困りの方がいらっしゃいましたら、まずは専門家である弁護士にご相談いただくことをお勧めいたします。
当事務所では、不倫・浮気による慰謝料問題のご相談・ご依頼を多数お受けし、解決してきた実績が豊富にございます。
不倫・浮気相手の配偶者から脅迫を受けた事案の対応実績・経験も多くございますので、ぜひ一度、お気軽に当事務所にご相談いただければと存じます。
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