当事務所では、不倫・浮気に関する多くのご相談・ご依頼をいただいておりますが、その中で公務員(教師、自衛官、県・市町村職員など)の方が当事者となっているケースが少なくないように思います。
一般的に、公務員の方には、社会的な地位や信用があって、経済的にも安定しているという特徴があると言えます。
当事務所では、そのような特徴を十分に考慮したうえで、公務員の方の不倫・浮気に関する問題の解決にあたっております。
ここでは、公務員の方の不倫・浮気について、当事務所が考えるポイントをご紹介します。
1 公務員に対して慰謝料を請求する場合
「配偶者の不倫・浮気相手が公務員だった」というケースで、その公務員に対して慰謝料を請求する場合について、ご説明します。
慰謝料を請求された公務員は「できるだけ問題を大きくしたくない」、「公にしたくない」と思うでしょうし、また、経済的に安定していることが通常です。
そのため、法外な金額でなければ、素直に慰謝料の支払に応じてくることが比較的多いように思います。
その慰謝料の金額についてですが、これは、不倫・浮気の期間や内容、肉体関係の回数、不倫・浮気されるまでの夫婦関係の親密さ、不倫・浮気が原因で別居・離婚に至ったかどうかなどを考慮して算出されます。
相場としては、一般的に、離婚に至ってしまった場合で150万円~200万円、離婚に至っていない場合には、より低い金額とされるのが通常です。
ところで、当事務所では、「慰謝料だけでは気持ちが収まらないので、相手方に社会的制裁を与えたい」、「相手方の地位を失わせたい」、「職場から何らかの処分をしてもらいたい」などといったご相談をいただくこともあります。
しかし、不倫・浮気の問題は、不倫・浮気をした者と、された者との当事者だけの問題であり、職場には無関係のことです。
もちろん、不倫・浮気をされた方のお怒りはごもっともだと思います。
しかし、それでも、不倫・浮気の事実を周囲の人や職場に伝える行為は、名誉棄損・不法行為にあたる場合がありますので、してはいけません。
不倫・浮気相手に「不倫・浮気の事実を職場に伝える」と告げる行為も、脅迫・不法行為にあたる場合がありますので、してはいけません。
してはいけないこと、法的にできること、できないことなどをよくご理解されたうえで、冷静・慎重に進めて、きちんとした金額で慰謝料の支払を受けることが大切です。
不倫・浮気相手との示談交渉や裁判の手続きは、一般の方には荷が重いことと思いますので、慰謝料の請求について、専門家である弁護士にご相談・ご依頼されることをお勧めします。
2 慰謝料を請求された公務員側の対処方法
不倫・浮気をしてしまった公務員の方が、不倫・浮気相手の配偶者から、「職場に伝える」と脅されたり、そのような脅しを使って法外な金額の慰謝料を請求されたりするケースがよく見られます。
このような不当な要求に対しては、毅然とした態度で臨みたいところです。
しかし、不倫・浮気をしてしまった手前、強くは出られないところがあるでしょうし、問題を大きくしたくないという思いもあることだろうと思います。
そのようなジレンマの中で、厳しい追及にさらされ続けて、精神的に参ってしまう公務員の方も少なくありません。
不倫・浮気相手の配偶者が立てた弁護士から慰謝料請求の通知書が送付されてきて、対応にお困りの方もいらっしゃると思います。
このようなケースでは、弁護士にご相談のうえ、対応を依頼されるのが良いでしょう。
なぜなら、弁護士であれば、相手方に対して負い目はありませんから、不当な要求をきっぱりと拒否することができるからです。
「職場に伝える」といった脅しに対しても、弁護士であれば、それが名誉棄損や脅迫に当たる場合があるとして警告をし、職場に伝えることのないように釘を刺すことができます。
弁護士相手の交渉についても、こちらも弁護士を立てることで、対等な話し合いが可能となります。
このように、弁護士に対応を依頼することにより、不倫・浮気をしてしまった公務員の方の負担は大きく軽減されるでしょうし、専門家である弁護士が関与することで、適正な内容での解決が期待できるのです。