事案内容:交際した
依頼者:既婚男性と交際関係にあった女性
相手方:その男性の妻
1 交際の状況
依頼者は、知り合いの既婚男性から迫られて交際することになり、1年ほどの間に複数回、宿泊を伴う旅行に行くなどしました。
もっとも、肉体関係はありませんでした。
2 相談・依頼のきっかけ
依頼者は、その男性の妻(相手方)から、弁護士を通して、内容証明郵便により、肉体関係があったことを理由に、不倫・浮気の慰謝料請求を受けました。
依頼者は、相手方の弁護士に電話をして、肉体関係はなかったことを伝えました。
しかし、相手方の弁護士は、「最初に50万円を支払ってもらい、残りはまた後で請求する。
事を穏便に済ませたいのであれば、まずはとにかく50万円を支払ってください」との一点張りでした。
依頼者は、相手方の弁護士とのやり取りを続けることで家族や周りに知られないか心配で、また、そのやり取り自体によって精神的な負担を強いられているとのことで、当事務所に相談に来られました。
当事務所の弁護士が、50万円を支払ってしまうと肉体関係があったことを認めたという前提で次の請求が来るリスクがあることや、慰謝料を支払うとしても、肉体関係はないことを前提とした金額に収めて、追加の請求は無いことを明確にする必要があることなどをアドバイスしたところ、相手方との示談交渉をご依頼いただくこととなりました。
3 当事務所の活動
当事務所の弁護士は、相手方が立てた弁護士に連絡し、「最初に50万円を支払ってもらい、残りはまた後で請求する。」という点について、主張の内容や請求する金額を明確にするよう求めたところ、結局、肉体関係があったことを前提に、不倫・浮気の慰謝料として300万円を請求するというものでした。
当事務所の弁護士は、肉体関係はなかったことをあらためて主張し、肉体関係があったとするならば確たる証拠を示すよう強く求めました。
また、交際関係は認めるものの、その場合の慰謝料の相場などを裁判例も踏まえて主張して交渉しました。
4 当事務所が関与した結果
当事務所の弁護士の交渉の結果、相手方の弁護士は、肉体関係があったとする主張は維持し続けていたものの、証拠を示すことはなく、最終的に、こちらが提示した50万円の支払いでの示談に応じてきました。
ご依頼から1か月で、請求された300万円の慰謝料金額を50万円とすることで示談解決となりました(250万円の減額に成功)。
5 解決のポイント(所感)
慰謝料を請求する側の弁護士の交渉として、不倫・浮気の慰謝料を請求して、とりあえず一定額を内金として支払うようにと、少ない金額を示してくる場合が少なくありません。
「穏便に済ませたいのであれば、とりあえずその金額を支払うように」などと言われると、家族や周りの人に知られたくないという思いを持っている方は、金額もそれほど大きくないことから、つい支払ってしまうかもしれません。
しかし、一部でも支払ってしまうと、「支払いに応じたということはこちらの主張内容を全面的に認めたのだ」と言われかねず、その後に追加の請求が来た場合に、減額を求めることが困難になってしまいます。
特に、肉体関係が無かったという主張をする場合には、その後の交渉や裁判では、不利になってしまうことがありますので注意が必要です。
相手方本人あるいは弁護士から請求を受けたら、とにかくすぐに、弁護士に相談されることをお勧めします。
6 お客様の声
安心してお任せできることが出来て、大変感謝致しております。
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