当事務所には、不倫・浮気に関する多くのご相談・ご依頼が寄せられますが、医師の方が当事者となっているケースもあります。

医師の方は、社会的な地位や信用があって、経済力があるとともに、非常に多忙であることが一般的です。
当事務所は、このような医師の方の特徴を十分に考慮したうえで、医師の方の不倫・浮気に関する問題に対応させていただいております。

このページでは、当事務所が考える医師の方の不倫・浮気の解決におけるポイントをご紹介させていただきます。

1 医師に対して慰謝料を請求する場合

「配偶者の不倫・浮気相手が医師だった」というケースにおいて、その医師に対して慰謝料を請求する場合のポイントを解説させていただきます。

慰謝料を請求された医師は「あまり大事(おおごと)にしたくない」、「忙しいから、あまりややこしい問題にしたくない」、「業務に支障が出ることが心配だから、早期に解決したい」と思うことが多く、また、一般的に経済力があることもあります。
そのため、過大な金額でなければ、スムーズに慰謝料の支払に応じることが比較的多いと思います。

慰謝料の金額は、不倫・浮気の期間・内容、肉体関係の回数、不倫・浮気をされるまでの夫婦関係の親密さ、不倫・浮気が原因で別居・離婚に至ったかどうかなど、諸々の事情を考慮して算出されます。
相場としては、離婚に至った場合で150万円~200万円、離婚に至っていない場合は、より低い金額となることが通常です。

ところで、「慰謝料を受け取るだけでは気持ちが収まらないので、相手方に社会的な制裁も加えたい」、「相手方の医師としての地位を失わせたい」、「相手方の家族や病院に不倫の事実を知らせたい」などのご相談をなさる方もいらっしゃいます。

しかし、不倫・浮気の問題は、不倫・浮気をした者とされた者だけの問題であって、相手方の家族や病院を含む第三者には一切無関係のことです。

もちろん、不倫・浮気をされた側のお怒りの気持ちはごもっともです。
しかし、不倫・浮気の事実を周囲の人たちや病院などに告げる行為は、名誉棄損や不法行為にあたる場合がありますので、してはいけません。
また、不倫・浮気相手に対して「不倫・浮気の事実を周囲の人たちや病院に告げる」と告知する行為も、脅迫・不法行為にあたる場合がありますので、してはいけません。

してはいけないこと、法的にできること、できないことをきちんと踏まえたうえで、冷静かつ慎重に対応し、適正な金額で慰謝料の支払を受けることが大切です。

不倫・浮気相手との示談交渉や裁判の手続は、一般の方にとっては難しく、荷が重いことと思いますので、専門家である弁護士にご相談・ご依頼されるのがよいでしょう。

2 慰謝料を請求された医師側の対処方法

不倫・浮気をした医師の方は、不倫・浮気相手の配偶者から、慰謝料を請求されることになりますが、医師の方は一般的に経済力があることから、過大な金額の慰謝料を請求されるケースがあります。
また、「不倫・浮気の事実を周りの人たちや病院に告げる」と脅されたりすることが考えられます。
このような場合においても、法的な紛争となった以上は、適切な解決を目指す必要があります。

しかし、医師としての地位・信用があり、多忙かつ人の命にかかわる医療業務を日々行っている中では、ご自身が前面に出て対応することがはばかられ、また、その負担も大きいことでしょう。
あまり大事(おおごと)にはしたくないという思いもあることだろうと思います。
そして、足下に法的な紛争を抱えることの不安は、思った以上に業務への支障が大きいものです。

不倫・浮気相手の配偶者が立てた弁護士から慰謝料請求の通知書が送付されてきて、対応にお困りの方もいらっしゃると思います。

そこで、慰謝料を請求された医師としては、弁護士にご相談のうえ、対応を依頼されることをお勧めします。
弁護士であれば、法的な交渉ごとのプロとして、不当な要求はきっぱりと拒絶することができます。
また、弁護士であれば、「不倫・浮気の事実を周りの人や病院に告げる」といった脅しに対しても、それが名誉棄損や脅迫に当たる場合があることを警告し、そのような行為に及ばないように釘をさすことができます。
そのうえで、弁護士が、適正な解決に向けて、示談交渉を進めていくのです。
弁護士相手の交渉についても、こちらも弁護士を立てることで、対等な話し合いが可能となります。

このように、弁護士に対応を依頼することで、不倫・浮気をした医師の方の負担は大きく軽減され、多忙かつ責任ある医療業務に専念することができるでしょう。
また、専門家である弁護士が対応することで、適正な内容での解決を期待することができるのです。